還暦からの資産運用

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3/10現在のポートフォリオ

マーケットはリスクオフとなりました。

注目されていた雇用統計を翌日に控える9日木曜日に、仮想通貨決済業者のシルバーゲートが破綻、SVB(シリコンバレー銀行)の資金繰り悪化のニュースをトリガーとして銀行株が急落し株式市場全体が大幅下落しました。特に小型株のラッセルは3%近い急落となりました。

翌日の雇用統計は、NPは堅調だったものの失業率と平均時給はマーケットフレンドリーな結果となり発表後10年債券金利は3.8%台から3.6%台まで急落しました。この金利低下は、雇用統計の結果を好感しただけではなく、リスク回避の債券買いも手伝ったものと思われます。

SVBの資金繰り悪化が単にSVBのALMの失敗であれば、影響は限定的であり市場はすぐに落ち着きを取り戻すかもしれませんが、背景には急激なFRBの利上げペースによる企業業績への悪影響があり同様の問題が他の金融機関で起きていないとは言い切れないと思います。ただ、SNSなどで言われているリーマンショックと同様の規模になるかというと、当時とは金融機関の自己資本比率が格段に違うことや、同じABS商品ではあるものの、原商品自体の信用力やカウンターパーティの保有限度も規制されておりチェーンフェイルなども起こりづらい点などから金融システム全体に拡がる可能性は低いと思われます。

来週には注目のCPIの発表を控えていますが、FRBは今回のSVBの件が落ち着きを取り戻すまでは今までのような利上げ姿勢を続けるのは難しいのではないでしょうか。次回3月22日のFOMCでの利上げ幅の市場予想は週初は0.5%が大勢でしたが、現時点では0.25%となっています。今回の件で金利の見通しが年半ばピークに戻ったのかもしれません。

ポートフォリオでは、先週逆イールド幅が1%を超えたことを起因として、週初に外国株式から日本株式へ4%分アロケーション変更を行いました。また、SVB発覚により週末にSOXL、ハイグロ株の一部を利確しキャッシュ滞留しています。評価益は、日米株式の大幅な下落と急激な円高もありましたが、債券とゴールドの分散効果が大きく貢献し前週比1%ほどの減少にとどまり年末比4.4%を維持しております。

当面はFRBの動きに変化があるのか慎重に見極める必要があります。