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8/2現在のポートフォリオ

先週の株式市場は日米の金融政策決定会合を経て急落する展開となりました。日銀は+0.15%と小幅ながら予想外の追加利上げを決定しました。161円台から断続的にドル売り介入を続ける財務省と政府の円安是正への強い意向を受けたものとの見方もあり、発表直後は材料出尽くし感から株価は急騰しましたが、引け後の植田日銀総裁会見で継続的な金利引き上げ姿勢が示されると急速に円高が進み、翌日から株価は暴落。週間で日経平均は▲4.65%、TOPIXは▲6.00%となりました。

一方、日銀決定会合と同日に行われた米FOMCでは予想通り金利据え置きながら、9月利下げ観測が強まり10年債券金利は4.1%前半まで低下しました。翌1日発表のISMや2日発表の雇用統計がいずれも景気減速懸念を強める内容だったため金利は急低下。10年債券金利は3.8%割れの水準まで低下しています。株価はFOMC当日は反発しましたが、その後は景気減速懸念から大きく下落しました。週間でダウは▲2.10%、Nasdaqは▲3.37%、S&P500は▲2.08%、フィラデルフィア半導体指数は▲10.29%となりました。週前半までローテーションで選好されていた中小型のRussel2000は▲7.01%と景気減速懸念が色濃く表れました。

ポートフォリオは株式下落と円高の影響を大きく受け、前週比▲4.51%、YH比▲8.76%となりました。株式市場の下落に伴い、金利は大きく低下しており一定の分散効果は発揮されています。

日経平均は7/11の高値42,426.77から▲15.36%、TOPIXは▲13.88%と、ダウやS&P500の最高値からの下落率▲3.96%、▲5.70%と比較して大きなものとなっていますが、背景は日米の金利差修正観測に基づくドル円の大きな下落(▲4.62%)が一因と考えられます。日銀決定会合前には、追加利上げは考えづらくドル高の修正も限定的との見方でしたが、植田総裁の会見で追加利上げに積極的な考えが示され大きく覆されました。それに加え、米国の景気減速懸念の強まりから、米国の9月会合で利下げを開始した後の追加利下げ観測も出てきていることで日米の金融政策の方向性の違いが鮮明になりました。

8/2の2,216円の急落は1987年10月のブラックマンデー翌日の3,836円に次ぐ史上2番目の下落幅となっていますが、下落率では5.73%とブラックマンデー時の14.9%とは比べようもありません。日本企業の増益基調はまだ期待できることからデフレ脱却の過程は維持されているものと考えています。

保有株の4-6月決算発表では市場予想を下回ったトヨタは下落した一方で、大幅な上方修正を行った商船三井アドバンテストはこの地合いでも逆行高となっており全面的なリスクオフムードが落ち着きを取り戻せば株式市場の水準修正はあり得ると考えています。

米国株式は、ソフトランディングの楽観論から一転してリセッション懸念が強まっていますが、インフレが鈍化する中で金利低下が進みいずれ景気は再加速する可能性は残されているものと考えます。これまで主導のハイテク企業の決算では、売り上げ、利益とも増加傾向は継続しており、ここもとのアロケーション変更の動きで持ち高調整も進んでいることからこちらも徐々に水準修正が進むものと考えます。

ポートフォリオは株式のエクスポージャーを上げたタイミングでの暴落となり予測の難しさを改めて痛感していますが、今回は債券や金などの安全資産が上昇し分散効果を得やすくなったことは幸いでした。当面は価格のぶれに注意しつつニュートラルなアセットアロケーションを意識して運用を継続していきます。